核とENIGMA

 最近FMを聴いていると、AKB卒業生が「メッチャ」ということばを使っていました。確かに魅力も能力もあるのかもしれません。しかし、常識やことば遣いが本当の魅力や色気を醸し出すことを知らないのか? 「メッチャメロンパンが好き」表現は驚きました。

 今の女優さんは本当に下手になりました。ダンサーも魅力がありません。もちろん一部のことですが、批判というよりその原因が明らかのように思います。

 自分という個性がないからです。残念ながらAKBもモーニング娘も個人としての魅力に欠けているように思います。こう表現すると多くのファンから叱責を買うでしょうが、それは構いません。なぜなら、AKBクラスより才能を感じる若い女性は良く目にします。

 例えばダンサーとして香里奈について言えば、それほど魅力を感じません。

 しかし、女優としては今まで出た映画はともかく異常な才能を感じます。おそらく生い立ちや彼女の持つ愛がそうさせるのでしょう。今後は楽しみです。

 決して個人的に魅力を感じるものではありませんが宮崎あおいの力量は演技において卓越しています。これは台本の読みとイメージの作り方にプロを感じます。

 AKBであればSKEのほうに魅力を感じます。若い娘には才能あふれるダンスセンスを持つ娘がいます。

 チェルノブイリから30年が経ち、世界は核に負けたというべきです。そうまでして核エネルギーを優先したのに、飢餓も戦争も、貧困も、差別も、強姦も、暴力も、売春も減っていません。コンプライアンス等と言うのもことばだけで、そのことばが必要とされるような後退した文明の30年間であったのです。

 それでも子供が生まれ、成長し、大人になるのです。

 まさにエニグマです。

 芸能も芸術です。表現はとても大切です。もっと大切なものは表現する背景です。背景とは経験によって生まれます。

 宮沢りえもその例です。今になって良い女優の何かが生まれつつあります。 エニグマには反転性 (reciprocity) とある種の不完全性 (noncrashing)

が必要です。謎はなぞであるための背景を持っています。人間が創りだしたことですから。核に負ける世界を許容したのは世界の失敗です。まさにエニグマの虚構世界に埋没しつつあるのです。